忌中と喪中の違いとは?してはいけないことやマナーも違う?

忌中や喪中というと、年賀状の季節に「喪中ハガキ印刷の申込み」などというノボリを見かけたり、年賀状を遠慮する喪中ハガキが届いたりするので「喪中」という言葉は良く知っている事と思います。

また最近ではあまり見かける事はありませんが、映画などを見ていると「忌中」と書いた紙を玄関などに貼っているシーンを見る事もあります。

忌中も喪中も親族が亡くなった後の期間という事は漠然とわかってはいるものの、なぜ忌中や喪中と呼び方に違いがあるのか?忌中と喪中にはどの様な違いがあるのか?ハッキリと説明できる方は多くはないのではないでしょうか?

また喪中ハガキには「年末年始のご挨拶を失礼させていただきます」とあるので、年賀状のやり取りをしてはいけない事がマナーの一つとわかっていても、他には何をして良いのか?してはいけないのか?など忌中と喪中のマナーについては、余り気をかける事もないのではないでしょうか?

実は忌中や喪中には違いがあって、年末年始の挨拶をしてはいけないだけではなく、他にもしてはいけないとされている事があるといった様に、本来は過ごし方にマナーや決まりがあるのです。

忌中や喪中は日常的に良く経験するものでもなく、出来れば経験しないに越した事はありません。しかしいつかはこれらの言葉を使う日が来て、二つの言葉の違いや意味の違い、この時期にしてはいけない事が年末年始の挨拶だけではなく、他にもしてはいけない事やするべきマナーについて考えなければならない時が来ます。

そこで今回は『忌中と喪中の違いとは?してはいけないことやマナーも違う?』について紹介します。

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忌中と喪中の違いとは?

忌中は普段あまり使わない言葉なので、忌中と喪中を「漢字が違うだけでいっしょのもの」と考えている方も多いのではないでしょうか?

忌と喪を漢字の意味からみると、忌には「いむ・嫌って避ける・いまわしい・不吉」、喪には「うしなう・なくす・ほろびる・ほろぼす」といった意味があります。
つまり忌には死を「穢れ(けがれ)」とし、喪には死を「悲しみ」とする意味があります。

日本古来の神道では死を「穢れたもの、伝染するもの」と捉えていていたため、関係者である親族が外出する事や様々な行事に参加する事はタブーとされ、一定期間は身を慎むために家に籠る様にされたいました。これが忌中の始まりとなります。

一方で喪は故人を偲び冥福を祈る期間で、哀悼の意を表しつつ慎ましく生活する事とされています。昔の日本では法律によって喪に服す事やその期間が定められており、奈良時代の養老律令を始めとした時代時代の法律には喪に関する記載がありました。

喪は儒教の教えによる影響が強く、宗教的な意味合いの強い忌中とは成り立ちが違っていると言えます。従って忌中も喪中もどちらも慎ましく生活するという点では同じですが、元々忌中は自宅から出る事さえ慎むとするなど、忌中は喪中より厳しい戒めがあったという事になります。

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忌中と喪中の期間は?

忌中と喪中に関しては、実は明治7年(1874年)に発令された「太政官布告」という法律に服忌令(ぶっきれい)として細かく定められており、今でもそれを一つの目安とする考え方もありますが、一般的な慣習としては、故人が亡くなってから49日間を忌中、一周忌までを喪中としています。

この期間は宗教や宗派によって違っていて、神道では50日間を上限に血縁などによって忌中の期間を定め、忌中に服する事を服忌(ぶっき)と呼んでいます。また浄土真宗やキリスト教では「死が悲しみや穢れではない」とする考え方から、忌中や喪中の風習がなかったりします。

参考までに明治時代の太政官布告にはどの様に規定されていたかというと、

  • 父母
    忌日数50日、服喪日数13ヶ月
  • 養父母
    忌日数30日、服喪日数150日

  • 忌日数50日、服喪日数13ヶ月

  • 忌日数20日、服喪日数90日
  • 嫡子(息子)
    忌日数20日、服喪日数90日
  • その他の子(娘)
    忌日数10日、服喪日数90日
  • 養子
    忌日数10日、喪日数30日
  • 兄弟・姉妹
    忌日数20日、服喪日数90日
  • 祖父母(父方)
    忌日数30日、服喪日数150日
  • 祖父母(母方)
    忌日数30日、服喪日数90日
  • おじ・おば
    忌日数20日、服喪日数90日

  • 忌日数10日、服喪日数30日
  • 従兄弟
    忌日数3日、服喪日数7日
  • 甥・姪
    忌日数3日、服喪日数7日
  • 曽祖父母
    忌日数20日、服喪日数90日

明治時代の話なので男尊女卑が色濃くありますが、親族全体に対して忌中や喪中の考え方があった事がわかりますね。また現在の神道でも忌日の日数は、この忌日数をそのまま当てはめる事ができます。

この神道の忌中や服忌に関する考え方に基づいて、今でも会社や学校の多くが「忌引き」の規定を設けています。忌引きはお葬式に参列するためにある訳ではないのです。

忌中や喪中になる親族はどこまで?

太政官布告では曾祖父母まで規定されていた忌中や喪中となる親族の範囲ですが、現代ではどのくらいの間柄までとすれば良いのでしょう?

一言で親族関係といっても、日頃から親しくしていたり疎遠だったりと色々とありますが、神道では「何親等」といった血縁の深さで決められている事から、

  • 喪中とする
    父母(結婚している場合には、義理の父母)、兄弟姉妹、子息
  • 喪中としたり、しなかったりする
    祖父、祖母、義理の兄弟姉妹
  • 喪中としない
    曽祖父、素祖母、叔父、叔母、従兄弟

とするのが一般的とされています。


結婚が「ご亭主の家に入る」という考え方がまだ強く残っているためか、祖父、祖母、義理の兄弟姉妹を喪中とする場合には、神道でも重きを置いている旦那さんの親族の場合という事が多くなります。

忌中と喪中のマナーやしてはいけない事、控えるべき事は?

それでは忌中や喪中となった時にしてはいけない事とはどの様なものがあるのでしょう?

「喪中ハガキ」を出す風習はまだ残っているので、一般的に年賀のあいさつはしないという事はわかるのですが、他にはどの様なものがあるのでしょう?

  • 結婚式など、お祝いの場への出席は控える
    一般的には忌明けしていれば、出席しても良いとする考えや、披露宴は大丈夫だけど結婚式はNGとする考えなど色々な考え方があります。しかし結婚式ともなれば二人の両親や親族も出席するので、中には「縁起でもない」などと思う人もいるかも知れません。「出席したいけれど、ご両親は喪中だという事を気にしない?」などと一言告げるのも良いかも知れません。
  • 神社へのお参拝、お祭りへの参加は控える
    死者を穢れているものとする神道では、その遺族は神社に立ち入ることを許されていないので、忌中の間は参拝やお祭りへの参加、地鎮祭などの神事にまつわる事は控えた方が良いでしょう。神道の忌明けは最長でも50日間なのですが、地方や神社によって忌中とする日数が違っていたり、何親等かといった亡くなった親族との血縁で忌中とされる期間が違ったりするので、忌中と思われる期間に神事に関わるのであれば、あらかじめ参拝や神事をお願いする神社に問合せした方が良いでしょう。

    また一般的には忌明けすれば参拝可能とされてはいるものの、「喪中の間は鳥居をくぐってはいけない」とする地方や神社もあります。こちらも予め確認をしておいたほうが良いでしょう。

  • 祝い事は控える
    自分たちの結婚式などお祝い事も控えるべきとされています。出来れば延期した方が良いのですが、時間的な問題などで延期できない場合も当然あります。亡くなった故人は近しい親族なので、生前にはそのおめでたい事を楽しみにしていた事と思われます。故人の供養のためにあえてお祝い事を行うという場合もありますので、無理に取りやめたり延期したりする必要はないでしょう。
  • 年末年始の挨拶を控える
    忌中や喪中の内で今でも広く行われている事が、年賀状のやり取りなど年末年始の挨拶を控えるという事ではないでしょうか?新年を迎える事は、一年を無事に過ごせた事を感謝しお祝いをする事なので、近親者が亡くなってという事は、無事に新年を迎えられなかったという事になります。年賀状のやり取りを控えるのはもちろんの事、年始の挨拶回りなども控える事となります。

    「喪中なので年始の挨拶を控えます」ということを伝える喪中ハガキは、11月初旬から遅くても12月中頃までには出すのがマナーとなります。

    最近では忌中や喪中にしてはいけないとされる事に対する意識は薄れつつあります。しかし喪中に「新年おめでとう」とする年賀状を送る事は、まだ悲しんでいるかもしれない遺族に対する心遣いがないと言え、また宗教的に禁止とされている忌中の参拝もルール違反となりますので注意しましょう。

以上となります。

現在では混同されている部分も多い忌中と喪中ですが、もともと儒教の教えであった喪中に対し、宗教的な戒めである忌中の方が「してはいけない」という事がより多く残っていると言えます。

まとめ

喪中は故人を偲び冥福を祈ると共に、遺族の悲しみの癒える期間であるとも言えます。

また忌中や喪中の期間や戒めをしっかりと決めていた時代と違い、戒めを実行する事が不可能で、実際に行っている人も皆無と言える現代では、喪中は遺族の心の問題とも言えます。

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遺族に故人を失った悲しみや喪失感が残っているかどうかを喪中の基準するという考え方もありますので参考にしてください。

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記事公開日:2017年4月6日
最終更新日:2017年4月11日

カテゴリー:お金 日常

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